月明かりの下の常盤色の庭の香り

¥3,500

おばあさんが亡くなった後も、白猫のメイはその家に一人で住んでいました。
おばあさんの娘が自分の家に連れて行くためにやって来ても、押入れの奥や軒下、庭の隅に隠れて出て行くことはありません。
その家にはおばあさんの温かみが残っていました。昼は部屋の片隅のおばあさんの毛布に包まれて眠り、夜は庭に出ておばあさんの帰りを待っていました。
伸び続けている庭の草たちが揺れると、メイの耳は微かな足音を捉えようとそちらを向きます。
でも、夜風に煽られたかすかな葉擦れの音が残るだけでした。

ある夜、いつものようにメイが庭に出ていると、おばあさんと一緒に遊んだ蝶のおもちゃのシルエットが草の間に閃きました。
「おばあさんだ!」蝶を目指して、メイは飛ぶように走ります。でも近付くとそれは、やけに明るい三日月の光に照らされた草の影が、蝶のように見えていただけだったのです。

それでもメイは、三日月が作り出した蝶のシルエットに前足を伸ばしてみました。
その夜の三日月の光はおばあさんの手のひらみたいに温かい、とメイには感じられました。


「香りの色標本」シリーズNo.02
草花が伸び放題になった常盤色の庭をちいさな香水瓶に閉じ込めました。
片面には透かしのメタルパーツが輝いています。
無香料で吸液性の高いムエット(試香紙)をボックスに同梱します。
香水は含まれていませんので、お好きな香りを「月明かりの下の常盤色の庭の香り」として纏わせて、小瓶の風景を楽しんでください。

画像はできる限り実物に近い状態で撮影していますが、実際の色合いはご覧いただく環境により異なる場合があります。ご了承いただけますようお願い申し上げます。

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